社会福祉士試験問題 第17回-129(社会福祉援助技術)

<事例問題>
 
以下の事例は、身体障害者療護施設において、ボランティアとの連携で行われた新しいプログラムに関するものである。これを読んで、問題129から問題131までについて答えなさい。
 
[事例]
 毎週定期的に施設を訪れ、利用者の話し相手になっているボランティアのOさんが、一人でつまらなさそうにしている利用者のTさんを車いすで外に連れ出してもよいかとX生活支援員(以下、「ワーカー」という。)に尋ねてきた。Tさんは、一人暮らしからこの施設を利用し始めて1年経つが、入所を不本意と思っており、スタッフにも他の利用者にも心を閉ざしがちであった。ワーカーは、OさんとTさんが親しくなっていたことに気づいてなかったので、事情を聞くと、Oさんは、数ヶ月ほど前、たまたまTさんと目が合ったことをきっかけとして、施設へ来るたびに必ず一声かけ、Tさんも施設外の人という思いから、Oさんに「こんなところに来たくなかった」などと不満を言うようになったという。
 Oさんは、Tさんに「今日は、お天気もいいので外出しませんか」と切り出してみたところ、一瞬表情が明るくなったので、ワーカーに外出の許可を求めてきたという。ワーカーは、スタッフの付添いもなくOさんに任せてしまうことを少しためらったものの、Tさんが変わるきっかけになればと考え、行き先を確認し、30分以内という条件で施設長の許可を取ることにした。
(中略)その日の夕食のとき、Tさんは、表情も穏やかで、食べるスピードも速くなっているように見えた。そこで、施設のグループ活動にも参加せず、孤立しがちなTさんを含めた数人の利用者で定期的に外出するグループ活動を計画した。後日、Oさんに相談したところ、個人的なつながりで近隣の4人がボランティアとして協力してくれることになった。スタッフミーティングでこの状況を報告し、このグループにふさわしいと思われる利用者をスタッフに推薦してもらい、Tさんを含む5人がボランティアと1対1で活動することになった(問題129)。
 1ヶ月余りの間は、ボランティアと利用者との1対1の外出ばかりであったが、ボランティア同士が知り合いだからということを理由に、2組合同あるいは3組合同で外出する機械を持つようになった。そして、ボランティアと利用者が全員知り合いになってきたころを見計らって、ワーカーは、この活動を「お出かけグループ」として承認してもらうために話し合う場を持たせてほしいと、この人たちに提案した。
 ボランティア5名と利用者とワーカーとで集まり、新しいプログラムとして活動することを確認した(問題130)(問題131)。
 
この段階でワーカーが留意すべきことに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
 
A 施設内でも心を閉ざしがちな利用者を選んでいるため、早急なグループ化を避け、一人ひとりの気持ちをくみながら時間をかけて進めるように心がける。
 
B Tさんがいろいろな人と親しくなるように、担当ボランティアを毎回変えるよう配慮する。
 
C 外出することによる気分転換の楽しさを味わってもらうことを目標のひとつとし、外出先については、利用者の意向をくみ取ってもらうようボランティアに依頼する。
 
D それぞれのボランティアと利用者とが親密になり、利用者が閉ざしがちな心を少しずつでも開くようになることを目指す。
 
  [組み合わせ]
  A  B  C  D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正答-2

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